【ブログ】白い靴作成#2

ドール用革靴作家ishikraft(イシクラフト)です。

白い靴作成ブログの第2回目です。
切り出した個々のパーツを組み合わせます。
それぞれの部品を組み合わせアッパーのパーツを作ります。
下準備の段階からバランスを見ながら正確につなげて行きます。
各工程においてきっちり進めていくことで仕上がりの精度も上がります。
最初から最後まで集中です。

そして靴作りで最も重要な作業の釣り込みを行います。
釣り込みとは木型にアッパーをかぶせ引っ張りながら形を作る作業です。
この行程で靴の形が決まります。
型にかぶせるからといってすべてが同じように仕上がるわけではありません。
革を引っ張る力加減、革の伸びやすさ、柔らかさ、いろいろな条件により仕上がるかたちが微妙に変わってきます。
いかに奇麗にスタイルよくできるか、釣り込みの際にはいつも考えています。
何度も繰り返したくさんの靴を作ることで少しずつ精度があがって行きます。

今回の白い靴でアッパーに使っている革はエナメルです。
エナメルを選んだ理由は白という色がよりはっきりとした光沢のある奇麗な白だからです。
色はとても奇麗なのですが大きな難点が一つあります。
それは革の張りがとても強いという点です。
張りが強いということは木型にかぶせて形を作る際に革を曲げても元に戻る力が強く形成しにくいということです。
もっと大きい作品であればだいぶ違ってくると思いますがオビツ11用として作る靴は大きさが約3cm程です。
そのため革を曲げる角度もとてもキツいものになります。
角度がキツくなればその分元に戻ろうとする力も強くなります。
一般的な革は水で濡らした状態で型に合わせるとおおよそその形になってくれます。
しかしエナメルではなかなかいうことを聞いてくれません。
型に沿わしても元に戻ろうとする力がとても強いのです。
エナメルレザーは表面がポリウレタンで覆われています。
天然皮革の表面にポリウレタンが塗ってある状態です。
ポリウレタンは水を弾きます。
そのため型に沿って形を保持してくれません。
よって釣り込みがとても難しい作業となります。
今回まず一足釣り込んでみましたがなかなかの苦戦を強いられました。
今後いろいろな方法を試してみる予定です。
何事もまず試してみることでそこからヒントが得られます。
とても魅力のあるエナメルレザーです。
攻略に向け作業を進めていこうと思います。

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