【ブログ】木型について
木型についてのお話
ドール用革靴作家ishikraft(イシクラフト)です。
木型をご存知でしょうか。
ラストとも言います。
靴を作る上での原型となり
とても重要です。
ドール用の靴を作るとき
木型を使わないで作る方法もありますが
私は木型を使って作成しています。
木型を使ったほうが思い通りの形に
靴を仕上げることが出来るためです。
ドール用の靴を作る工程は多数ありますが
一番重要かつ難しいのはこの木型を
作る工程です。
写真の木型は四角い木材から削りだして
作成しています。
木型を作り終え実際に靴を作ってみると
予想と異なる仕上がりになることが
よくあります。
よくあるというよりは必ず考えていた
ものと異なる部分が出てきます。
いままで作成した木型で一発で
うまく出来たことはありません。
出来上がった靴をみて気になる部分の
木型を修正します。
そしてまた靴を作り改良を行います。
納得がいくまでこれを繰り返します。
そして木型を作る上でもう一つ大変な
ことがあります。
靴は必ず左右で一足なので
木型も左用と右用の対で作らなければ
なりません。
左右対象に作ります。
この調整がまたとても大変で
削っては靴にしてみて確認という作業を
左右で2回行わなければなりません。
そしてやっと納得の行く木型ができても
これで木型作成が終了ではありません。
このままでも使うことはできますが
サイズが小さく素材が木ですので
強度が足りません。
何度か靴を作っているうちに木型が
折れたり割れたりして壊れてしまいます。
時間をかけ苦労して作成した木型を
数回で壊してしまう訳にはいきません。
そのため他の素材で複製します。
私はレジンキャストで複製をしています。
レジンキャストは強度と粘り強さが
最適で私はとても使いやすいので
こちらを使用しています。
また複製が簡単なので重宝しています。
靴作成の土台とも言える木型作成。
新しく作るには根気と集中力が必要です。
しかし木型をしっかり作らなければ
最終的に納得のできる靴にはなりません。
これからもしっかりとした木型作成を
続けて行きます。