【ブログ】九年が経ちます
早ものですね。
ドール用革靴作家ishikraft(イシクラフト)です。
ドール用の靴を作り始めてから約九年が経ちました。
そんなに時間が経った感覚はないのですが
過去のアメブロの記事を見てみると本当でした。
(こちらのブログの前はアメブロで書いていました)
レザークラフトから始まりドールの事を知りました。
当時ドール用の靴が少ない状況で
よく靴難民という言葉を目にしました。
レザークラフトとしてミニチュアの靴を作った時には
履くことは想定しておらず置物やチャームとして
作成をしていました。
ある時「ドールが履ける靴を作れませんか?」という
質問を受けたことがありました。
今ではどなたがこの質問をしてくれたのか分かりません。
しかしこの質問こそがドール用革靴作家ishikraftと
しての出発点となっています。
ミニチュアの靴を履くということは想定外でした。
同時にとても興味を持ったのを覚えています。
ここからドールのことについて色々と調べ
ドール用の靴作りが始まりました。
はじめの頃はまだドールイベントに出ておらず
販売はヤフオクで行っていました。
この当時は売れたり売れなかったりといった感じで
どちらかというと入札ゼロということが多くありました。
自分では気に入ってもらえると思っていましたが
実際には入札なし、なぜだろうどうしてだろうと
色々と考えていた思い出があります。
少しずつ靴に改良と工夫を行っていきました。
ドールのこともそうですが靴についても調べました。
ミニュチュアの靴作りについてはいろいろな本に
載っていたのですが本物の靴の作り方については
非常に資料が少なく苦労しました。
ミニチュアではなくより本物に近い靴が作りたかったのです。
靴の写真を見ていてもどうやって作っているのか
よく分かりませんでした。
そこで本物の靴を分解して構造を見たりもしましたが
バラバラにしたらよくわからなくなってしまいました。
まずある程度の作り方がわからないとバラしても
よくわからないものなんですね。
そのため雑誌に作成風景が載っているのもなどを
よーく見て見様見真似で作りました。
少しずついろいろな情報を集め数年ほどかけて
ほぼ作り方が理解できました。
一番印象深いのはある製靴工場の見学をする機会が
あったことです。
そこはたくさんの靴を作るため多くの工程で機械を
使用していましたが基本的な作り方は手作業で作る
靴と変わりないので大変勉強になりました。
ここで作成された靴を見せて頂いたときの感想が
かっこいいな、よくできているなと思ったのは
もちろんなのですが、一番の感想は
「なんて美しい靴なんだろう」と思ったことです。
艶であり整った縫い目であり、デザインであり
それらが合わさりとても美しい靴が飾ってありました。
自分もドール用の靴でこういう靴が作りたいと
強く思ったのをはっきり覚えています。
いまでもこの気持は忘れていません。
どうすれば美しい靴が作れるのか考えました。
その一つとして素材としての革にも興味をもち
革についても色々学びました。
革についても良い機会に恵まれ革の鞣し工場の
見学をすることが出来ました。
皮が革になる工程を見学する機会はそうそうには
ないのでとても貴重な体験でした。
皮を洗ったり、薬剤につけたり、伸ばしたり、
乾かしたりとても多くの工程を経て
革が出来上がります。
革の世界もとても奥が深いことを知りました。
ちなみに鞣す(なめす)とは剥いだままの
皮(スキン)では腐ってしまうので
腐らないようにそして強度を出すために加工して
革(レザー)にすることです。
このようにドール用の靴を作るため、更には
よりいいと思ってもらえる靴を作るため、
ドールに関すること、靴作成に関すること、
革に関すること、これらの事を少しずつ少しずつ
学びながら作成を九年間続けてきました。
この写真は作成を始めた当初と現在のものです。
作りやデザインが大分変わっています。
まだまだ改善する部分はありますが進歩は
してきているかと思います。
おかげさまで現在たくさんの皆様に靴を使って頂いています。
これからも靴作りを続けていきたいと思います。
もしこの靴が「いいな」と思っていただけたら
いつの日か良いご縁があることを心待ちにさせていただきます。